読書感想。雑記。

喪国を読み終わった。
さすが最終巻。さすが五條瑛。
素晴らしい一冊だった。何が素晴らしいって、読みたいシーンが詰まっていた。
例えば、すみれと鳩の再会。
例えば、亮司とサーシャの今の関係・今の会話。

やっぱりこの辺りだなぁ。

すみれのキラとの会話もとても良かった。

「サーシャとキラ、どちらが居なくなっても、自分にとっての損失だ」
という発言が、すみれの大きさを感じる。
今後が期待できるお話。

すみれと鳩の会話からも、すみれの成長を強く印象づけてくれた。
鳩が今後どうなるのか、どうしていくのか、それは別の話だし、
最終的にできれば、井口とモーリンの元に戻ってくれればっと思うのです。

櫂と大川のその後の話は、エピローグとしては非常に優秀だった。
大川が死んでいないのはなんだかなぁと思いますが、
櫂が生きているのは良いような、なんというか、こちらも複雑な気持ちになりますね。

そして、亮司とサーシャ。
相変わらずサーシャは亮司に花を贈っているし、
勝手にベットを占拠しているし、
いつものように勝手に部屋に入っているし。
登場人物紹介では、謎の男と書かれているけれど、喪国を読むと謎はほとんど書かれていて、
すっかり謎の男じゃない。
いや、まだまだ謎には満ち溢れているのだけれど。

それにしたって、亮司のミューズっぷりが。
サーシャの手を引いて行くシーンが!
非常にぐっとくる。
亮司からのサーシャへの気持ちはなんとなく描かれていたけど、
サーシャが彼なりに亮司を大切にしていることが、明確に描かれていたのもたまらなかった。

その関係性に。
その距離感に。
その共存に、心惹かれる。

非常に読み応えのある物語でした。

全巻の主人公が「計算された革命」の後、どうなったのかを書き出したい。
また、今度、やれたらいいな。


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