TBSラジオにて3月4日19:00から放送された“アンナチュラル対談”のタイムフリー対応期間が過ぎたので、録音していた音声をテキストに起こしました。
自分用の備忘録ですが、中々苦労した末の仕上がりなので掲載します。
ラジオの文字起こし自体は、行われているのを閲覧したことがあるのでやってみましたが、権利的にNG!などの指摘が入った場合は、速やかに非表示にしたいと思います。

TBSラジオ特別番組
米津玄師×野木亜紀子 アンナチュラル対談
出演:米津玄師・野木亜紀子(TBSドラマ『アンナチュラル』脚本家)
石原さとみ(スペシャルメッセージ)
進行:出水麻衣(TBSアナウンサー)
放送日時:3月4日(日)19:00~20:00

放送内容

※敬称略
※必死にヒアリングしていますが、話し手や内容に誤りが生じている可能性はあります。ご了承ください

米津「どうも、米津玄師です。今回こういう機会を与えてくださって本当にありがたいなと思います。今回その、野木さんと対談ということで、ドラマのことだったり、野木さん自身のパーソナルな部分だとかそういうことが、少しでいいから知れたらいいなっていう風には今は思ってますね。緊張しますね、なんかやっぱこういう機会もあんまないんで、ラジオ喋ったりとかもあんまないんで、ちゃんと上手におしゃべりできるだろうかっていうそういう不安もありますけども。でも、まぁ、同じくらい楽しみですね」
野木「アンナチュラルの脚本担当の野木亜紀子です。今日は忌憚なくしょうもない話をできたらと思いますが、暴言を吐かないように気をつけようと思います。えーもう、全くシンガーソングライターという職業が近いように見られるかもしれませんが、正直脚本家とはものすごく遠い気がしているのでどんな話が聞けるのか楽しみにしています」

(OP)
――アンナチュラル テーマ音~TBSラジオ 米津玄師・野木亜紀子アンナチュラル対談――

出水「回を重ねるごとにその魅力にとりつかれ、ファンが増え続けている TBSの金曜ドラマ“アンナチュラル”。ドラマの舞台となるのは日本に新設された、死因究明専門のスペシャリストが集う不自然死究明研究所 UDIラボ。そこに運び込まれるのは不自然な死-アンナチュラルデスの怪しい死体ばかり。石原さとみさん演じる、日本に170人ほどしか登録が無い法医解剖医の三澄ミコトと、井浦新さん演じる中堂 系、窪田正孝さん演じる久部六郎、市川実日子さん演じる東海林夕子、そして松重豊さん演じる神倉保夫ら、癖の強いメンバー達が毎回様々な、死の裏側にある謎や事件を明るくスリリングに解明していく、一話完結型の法医学ミステリー。この物語を支えているのが、去年大ブームを巻き起こした TBSドラマ“逃げるは恥だが役に立つ”や“重版出来”など数々のヒット作を生み出す人気脚本家野木亜紀子さん。さらに主題歌を担当し、ドラマに聴覚から彩と刺激を与えているのは、去年リリースしたアルバム bootleg が合計23のチャートで首位を獲得し、日本武道館2DAYSを含むライブツアーを成功させたシンガーソングライター米津玄師さん。そんな今を駆け抜ける二人が今夜、初対談。時代に向き合い、言葉を紡ぎ、操る表現者がどのようにストーリーを組み立て、歌詞を綴ったのか。創作現場の秘密や自身が抱える葛藤など、ここでしか聞けないスペシャルの話を繰り広げます。―――それはまさに稀有な化学反応」

―――――― 曲(1曲目) ――――――

――――――石原さとみさんからの録音メッセージ
お送りしているのは TBS 金曜ドラマ“アンナチュラル”主題歌、米津玄師さんのLemonです。こんばんは、アンナチュラル三澄ミコト役の石原さとみです。この曲、米津さんのレモンを初めて聞いた時、鳥肌が立ちました。第一声の声にゾクッとして、自分が演じている最中にその曲を聴いて、なんてぴったりなんだろうと思って。この曲は引っ張っていってもくれますし、盛り上げてもくれるし、馴染ませてもくれるし…多分、中堂の思いもあると思うんですけど、このミコトとしての想いの過去の部分とか進んで行きたい部分とかってものを歌詞で乗せてくれている感じがして、客観的にドラマで見てその曲が流れる時は背中を押して希望を見出して来ような感じがしました。毎度どのタイミングでかかるのかが、出演してる私もすごく楽しみです。ラスト2回も、どこでかかるのかなぁと楽しみしています。

出水「皆さんこんばんは TBS アナウンサー出水麻衣です。今夜は、金曜ドラマアンナチュラルに欠かせない影の立役者、脚本家の野木亜紀子さん。そして主題歌レモンを担当されている米津玄師さんのスペシャル対談を送りします。米津さん野木さん、よろしくお願いいたします」
米津「よろしくお願いします」
野木「よろしくお願いします」
出水「あの、お二人はあの米津さんの武道館で一度お会いになってるそうですけれども、改めて今日は対談ということですが、お互い向かい合って座ってみてどうでしょう、印象は。野木さん、いかがですか」
野木「いや…大きいなぁ(笑)」
(一同、笑い)
米津「だいたい、そうなりますよね」
出水「そうですね、座っていても、なんというか、スタイルの良さが…わかりますよね」
野木「あと、声がね!」
出水「そう!」
野木「いいですねー」
米津「あーいやーありがたいんですけどね…」
出水「ご本人はあんまり」
米津「あんまり好きじゃないんですよね、自分の声が」
出水「意外ですよね」
米津「はい…高い声が好きで」
出水「そんな、米津さんから見て、野木さん。いかがでしょう、印象は」
米津「いやぁ、なんか、素敵なお姉様だなっていう…(笑)」
出水「おぉ…」
野木「(笑)」
米津「(笑)」
野木「多分、答えようがないっていう(笑)」
出水「そんなことないですよ(笑)」
米津「全然全然」
出水「あの、お二人を結びつけるものといえば金曜ドラマ“アンナチュラル”ですけれども、米津さんは毎週のツイートにもあげてらっしゃいますけど、ドラマご覧になってるんですよね」
米津「はい」
出水「ここまでご覧なっていかがですか、ドラマ」
米津「まぁ、まず面白いってのはもう当たり前の話で、自分の楽曲が流れるタイミングが本当にえげつないくらいでドンピシャのタイミングで流してくれるから、そこに愛情を勝手に感じていて、とか、そうそうこういう作品とは出会えないんだろうなっていう感じが…すごく自分の中にあって、だからもう、毎週毎週すごい、本当になんか一緒にやれてよかったなっていう感じが…ひしひしと噛み締めながら私は見ていますけど」
出水「野木さんは改めてレモン聞かれた感想、いかがでしょう」
野木「そうですね。やっぱりなんか、最初聞いた時に、なんかちょっと苦しいって言うか、いろんな記憶が蘇りそうになるんだけど、これを思い出していいのだろうかっていうよくわからない気持ちになって、すごい。あぁ…なんか切ないなーってすごい思って。で、その2回目聞いた時に、なんかこれはやっぱ凄いこのドラマ自体がその、毎回、人が亡くなるお話なんですね、どうしても。なのでそのなくなった人達に対するすごくレクイエムぽいものも感じたし、それにあの、生きてる人たちの心の中の死んでしまった部分みたいなところも、なんかすごい包んでくれる曲だなーと思って、勝手にそう思ってちょっと勝手にまた泣きました」
米津「あぁ」
野木「あははは(照)」
出水「涙が出ましたか」
米津「嬉しいです」
野木「いや、本当に絶妙なタイミングで流れますよね。その、映像を作品て基本その、総合芸術って言われるだけあって、いろんなパートが関わっているものなんですが、最初の出だしのフレーズにやっぱり全てが詰まっている、あの『夢ならばどれほどよかったでしょう』てのが、本当に見事に今回のアンナチュラルという作品にすごくぴったりくるフレーズだと思うんですけど、なので多分演出家の皆は、そのワンフレーズを…どこにかけるかっていうところに、もうすごく入魂してると思います」
米津「へー」
出水「あの、実際に演出家の塚原あゆ子さんにアンケートをとったんですけれども、主題歌をどこで流すかというの本当に綿密に考えながら、編集していらっしゃるそうなんですよね」
野木「いや、あの一話の時が、まだあれなんですよね。完成した曲が来ていなかったんですよね」
米津「はいはいはいはい」
出水「そうなんですね!」
野木「一話の編集をした時が」
出水「そんなにある意味ギリギリと言うけれども」
米津「そうですねー…あのー…撮り直したんですよね俺が。あのー…サビの後ろのところとか、細かいニュアンスがまだあるんじゃないかなと思って、撮り直しちゃってて、それでなんか結構いろんな人に迷惑をかけたっていう、あの、やつがあったんすけど」
出水「その撮り直しが現場に伝わってきたのは?」
野木「一旦、納品までは多分してるんですよ」
米津「はいはい」
野木「プロデューサーたちが。その後に…急になんか『あ、なんか連絡が来た!』っていう話になって、『なんか曲が変わったらしい』えっ?」
米津「いやぁー…申し訳ないですね」
野木「変わるって、そんなことあるの?って」
出水「もぅ一番大事なサビの部分でいいんですか?変えたところは」
米津「サビの本当、お尻の部分っていうか」
出水「えぇえぇ」
野木「え、でも、本当、なんだろう。ニュアンスというか」
米津「そうですね。言葉が変わったとかじゃないですけど、メロディーがちょっと変わったくらいで。なんで変わったかって言われたら、あれなんですけど、その、レモン作ってる時がツアーの真っ最中で、で、ツアーの合間に曲を作るってのは初めての経験で、自分はその…曲作る時にも、こう、こうなりたいんですよね」
出水「ん、もう、入り込みたい」
米津「入り込みたくって。フリーダイビングってあるんですか」
出水「はい。あのロープをつたって、深海まで行くっていう」
米津「ロープをつたって、どんどん潜っていくっていう。ああいう感覚が自分の中にあって。そのためには結構、長い時間を要するんですよね。要するんですけど、地方に行って、帰ってきて、で、まぁ1日くらい空いてて、でまた地方に行かなければならないって生活してると、あぁ潜った潜ったつって、あ、でもそろそろ上がらなきゃいけないってばぁって上がってって、で、なんか減圧症で内臓おかしいみたいな、なんかそういう感覚がものすごくあって、大変で、で…どうしようかなとか思ってる最中に…その…うちのじいちゃん死んだりしたんですよ。で、その、人の命を思う曲を書いてる最中、自分の肉親が死ぬっていうのは、なんかあるって。その時、1コーラスだけ作ってたんですけど、なんか頭の中にあるその死っていう、ふわっとした概念だったものが、急に自分の脇の方からこう、ばっとなって、こう…なんだろな、形として現れて。そうなった時に…何か、果たして、これでいいんだろうかってまた思うようになってしまって、そこまでの間に、こう、積み上げてきた自分の中のその、人が死ぬ事っていう…価値観みたいなのが、一回ゼロになって、で…なんかそっからやっぱ、まだどんどんどんどんこう…混沌としていくみたいなことがあって、でも自分の曲であると同時に、その、ドラマの曲でもなければならないという、その引っ張り合いの中で作ってたわけですけど、自分の中身の回りにいろんなことが起こりすぎて、すごくなんか個人的なものになっちゃってんじゃないかなっていう不安がすごくあったんですよね。そもそもドラマが持ってるなんかこう、POPな精神と言うかコメディなところとかもいっぱいあるし、そういうこうまぁある種のエンタメと言うか、そういう側面が自分の中に何か少なかったと言うか、このままだとすごく暗くなっちゃうんじゃないかなと思って。それよりかはもう少し明るい方がいいなって言うなんか、頭の中にしこりがすごく、ずっと残ってて。何か残ってんな残ってるなあと思いながら、なんとなく、その、レモンとか聞いてたら、『あ、やっぱここもっとこうした方がいい』って言うのが眼前と出てきてしまって、で、だからどうしても撮り直させてくれっつって、あのー撮り直した日が、武道家の初日だったんすけど」
出水「はい。うわぁ」
米津「(笑)」
野木「そうだったんですね」
米津「武道家の朝に撮り直して」
出水「物理的にも、精神的にも、結構忙しい時期ですね」
米津「(笑)てことがありましたので、申し訳なかったです」

―――――― 曲(2曲目) ――――――

米津「自分も音楽曲作るときに、なんか一行の歌詞から出てくるとか、なんとなく散歩してる時に見た光景で曲を書くこととか色々あるんですけど、今回のドラマっていうのはどういう始まりだったんですか」
野木「その大枠から言うと、『女主人公の法医学ドラマを作らないか』みたいな、すごいおおざっぱなオーダーをもらって。でもまぁきっと法医学ドラマも色々やられ尽くしてるので、じゃあでも今作るなら何ができるだろうかみたいなところで…まあそんなUDIっていう架空の組織を作ることで、まぁ非常に広い、いろんなジャンルのエンタメが、刑事物っぽいこともできるし、科学捜査みたいなこともできるし、色んなこと色んなアプローチから作れるんじゃないかなっていうところが、まぁそこではあるんですけど。まぁ、やっぱりその、今その2018年に放送するドラマいうこと考えた時に、じゃあその今を生きる人だとか、今、命を落としてしまう人、みたいな。そういうものを描くみたいなことを、どうしていくのかみたいなところもありましたね」
米津「時代に即したもの作ろうっていう」
野木「そうですね。やっぱりドラマってこの…時代性が必要だったと思うんでしょうね。まぁドラマだけじゃないと思うんですけど。なので、まあその辺は意識したところではありますね」
米津「うーん」
野木「テーマばっかりありきになっちゃうと、今度はエンターテイメントじゃなくなっていくので」
出水「その辺りのバランスってどうしてたんですか」
野木「や、ま、バランスをとっていくしかないし、なんていうか、その、どうしたら楽しく見つつ、考えることもできるかみたいな。例えば先週の7話で、高校を舞台にした話で。まあすごくやってることはすごく重いし、高校生の子は亡くなっちゃうし、まー非常に辛い話で。だけど途中で中堂さんと坂本さんの対決みたいなところがあったりとかして、ただ、まぁその、打ち合わせの時にスタッフの中からは『このね、真面目な流れの中で、ここふざけすぎじゃないか』とか『こういうのどうなの?邪魔じゃないの?』みたいなこと言われたりとかもしたりするんですけど、やーでもこれやっぱりこんだけ重い話だと、間にこういうのがないと、ちょっと視聴者辛くない?っていうのがやっぱりちょっとあって。なのでやっぱなんか個人的には、やっぱりその、笑うこともできるし…考えることもできるして…っていう、いろんなやっぱり喜怒哀楽いろんな感情があってこそ、な気がしてるので。なるべくそこを、どう邪魔じゃないように…うまく入れてくかみたいなことはもうなんかずっと考えてるし、まぁ多分これからも考えていくんだろうなと思いますね。ただまあ、その、あのいわゆる、あーいう殺人実況中継みたいなものって、実はまぁエンタメの世界では死ぬほどやられてるんですよ、実は」
出水「はい」
野木「なのであの今回“アンナチュラル”は、そのある意味そういうミステリー系のお約束みたいな、例えばその、登場人物たちが冷凍車に閉じ込められるとか、あと朝起きたら死体が隣にあるとか、言うたらベタなんですよね。あるある。今回の殺人実況中継あるあるで、ま、やられ尽くしてはいるんだけども。でもやっぱり見たいよねとか、やっぱりやりたいよね、みたい所があって。なので、その中で…その先をどう描くかとか、あるあるのところから入り口で入っても、じゃあどこに落とすかとか、じゃあその中で何を描くか、それがいかに2018年的であり、いかに“アンナチュラル”という作品のカラーの中でそれをやるか、みたいなこと」
米津「あー…なるほど、すごくわかりますね、それは」
野木「『今』のドラマを書こうとすると、どうしてもまあ…暗号通貨とかの話も、なんか、ああいう人たちがお金で揉めるとしたら、今その現金どこのじゃなくて、やっぱりなんか暗号通貨みたいなことになってくるよなぁ」
米津「はいはいはい」
出水「そうですよね、ビットコインとかね。なんだわ、それは」
野木「はい。だから、なんかその別に…社会派を…実はそもそもやろうとしたわけではなくって、結果的にやっぱ…やってたらそうなってしまったみたいな」
米津「タイミング的にすごいドンピシャでしたよね」
出水「ねぇ」
野木「そうですよ、でも複雑なんですけどね、なかなか。実際に人が亡くなってる事件とかは…。ま、でもあれもなんか結局その、ずっと割と SNS とかって、やっぱ死にたいって言って人が多いじゃないですか。それはまあずっと気になってて。なんか…どうしたらこの人たちは救われるんだろう、じゃあ果たして本当に死にたいんだろうか、みたいなものも含めて、考えてたのを書いたらなんかたまたまそうなってしまった、みたいなことがあるので。まあでも本当にちょっと、早撮りしてる分だけ早く書いて早く、去年の内に全部やっちゃってて、もう変更も効かないので」
出水「そうですよね。今回かなり、通常よりも数ヶ月早く台本をあげなきゃいけなかったんですよね」
米津「あ、そうなんすか」
野木「まぁ、スケジュールの関係なんですけど。だからも、でもちょっとヒヤヒヤですよね。なんかやっぱりほら、ね本当にあんまりドンピシャすぎちゃって、変に放送休止とかになるかもしれないので」
米津「そうですよね」
出水「そうか…そうですよね」
野木「本当あと、一話を書いたのなんて本当に、5月とか6月だったんですけども、オンエアまでもう何ヶ月もあるから、それまでに日本にマーズが上陸したらどうしようってかって、ちょっとね、それは冷や冷やしました」
出水「なるほど…。そういった先を見て書くからこその苦労があるっていうのは」
野木「ちょっと気がかなかったですね」
出水「今お二人はこうして、ま、米津さんはシンガーソングライター、野木さんは脚本家として活躍されてますけれども、この、何かこう、創作することで自分自身だったりこー、今言いたい事を表現するっていう、そのことに対する想いっていうのはどんなものがありますかね」
野木「やー、私は、あの、変な話、アーティストじゃないので」
出水「はい」
野木「と、自分で思っているので。何かこう職人になりたいな、みたいな、ところがちょっとあって。なのであんまりその、衝動とか言われるとちょっと困るっていうか(笑)そうですね、なんかだから。なんですかねー」
出水「(米津さんも)職人ってところであーってなりましたけど」
米津「あ、でも、自分もそれはあって」
出水「はい」
米津「職人になりたいって」
出水「そうなんですね、うんうん」
米津「あんまりその、芸術とかアートって言葉があんま好きではなくって。なんか、まあ、あの、別にそのものを否定するわけではなくて」
出水「もちろん」
米津「まあ自分の身の回りのミュージシャンとか見てても、そこに逃げ込むやつが多すぎるんですよね。なんか」
出水「ほぉー」
野木「キビシイ、キビシイ(笑)」
出水「いいですね、いまの物言いね。うんうん」
米津「これはアートだから、これは芸術だから、みたいな。そういう風になんか、アートとか芸術みたいな言葉の中に…逃げこもうとして…結果、出来上がるのかしょうもないみたいな……ものすごく」
出水「(笑)」
野木「(笑)」
米津「だから、あんま好きじゃなくて。そういう言葉が」
野木「そっかー…。でも傍から見ると、ものすごくアーティスティックですよね、米津さんは」
米津「(笑)そう言われるだろうな、とは思います。でも、そういう側面もまぁあるのかなとは思うんすけど。で、やっぱ、そういうところに絶対に逃げ込みたくないっていうのが、すごく強くあって」
野木「言ってることはとってもわかりますね、なにか」
出水「なるほど」
野木「うん」
米津「で、だから、ファンタジーとかって結構好きなんですけど…ゲームとかやってて」
出水「はい」
米津「見るんですけど、そういうのも。結局そこで巻き起こってんのって、その、普通の我々が住んでいる社会を反映したものじゃないですか。だからこそ、それがファンタジーって世界だからこそ、その…うちらが住んでる世界が、より浮彫になるっていう、そういう側面があるから俺はものすごい好きなんですけど。そういう意味で言ったら、まぁ、それと一緒で…自分が作る音楽っていうのも、結局…なんか経験したようなこともないことも、まあ書いたりするんですけど、それもなんかもう、掘り下げていけば自分の体験であって、で、その自分の体験をそうやっていろんなまた別の言葉に変換して、表現することによって、なんだな、より普遍的になる感じがすごくある。で、自分は音楽を作るにあたってそういう普遍的な音楽を作りたいと思ってるんで、あの、普遍的って言ってもいいし、POPな物っていってもいいし、そういうものをどうやって作っていけばいいのかって考えると、やっぱそういう作り方になってきますけどね」
出水「うーん」
野木「米津さん、絵がすっごくうまいですね」
米津「あぁ(照)」
出水「レモンのジャケット」
野木「そうですね」
米津「それは、はい」
出水「ブートレグもそう」
米津「はい」
野木「すごい、そう、すごいなーと思って」
米津「あー…そもそも漫画家になりたくって」
出水「えー!そうなんですか?」
米津「小学生ぐらいのころは、ずっと漫画とか描いる人間だったんで…」
出水「へー」
野木「どういう作品…ストーリー的には」
米津「あぁ、でも、ドラえもんとか好きで」
出水「へえぇぇ」
野木「そっち?」
出水「なんか、もうちょっと戦い系かと思ったら、意外と」
米津「や、でも、そっちもあって。その…ジャンプのバトル漫画とか」
出水「へぇー」
米津「そういう、だからジャンプ漫画家になりたかったんですよ、昔は」
出水「そうなんですか」
野木「王道な」
米津「王道な」
出水「ま、お二人とも作品を書いたりも脚本を書いたり曲を書いたりしてますけれども、その創作中にですね、ま、うわっのってくるわ~って言うの曲、何かありますか?米津さん、レモン書いてるときに聞いてた曲、何ですか」
米津「あのー…松任谷由実さんの Hello my friend って曲があって」
野木「えぇ!…ユーミンさんですか?」
米津「そう、ぁの、レモン書いてる当時に」
出水「はい」
米津「昭和のポップソングみたいなに、ものすごく溜まった時があって。まぁ今回のそのドラマの主題って事で、そのドラマで流れる時にどういう曲を作れればいいかってなって。往年のそういう、それこそ小田和正さんとか…あの…ユーミンもそうだし…あと…中島みゆきさんとか」
出水「はい」
米津「そういう人たちが…どんなものを作り上げてきたのかっていうものにものすごく興味があって、色々詳しく聞いてた時期があって、で、その中でこの Hello my friend って曲が、ものすごく美しい曲だなと思って。この曲のコード感とかレモンは影響受けて作ってて、多分聞く人が聞けばわかると思うんすけど。だからものすごく影響を及ぼした曲ってことで」
出水「えぇ、野木さん、コード進行似てるんですって。気付きました?」
野木「もうさっぱり分かりませんねー」
出水「ねー」
米津「(笑)」
出水「ではその辺りも注目して一曲、ここでお聞きいただきましょう。米津さん、曲紹介お願いいたします」
米津「はい。松任谷由実さんで、Hello my friend」

―――――― 曲(3曲目) ――――――

(ジングル)――TBSラジオ 米津玄師・野木亜紀子アンナチュラル対談――

CM

(ジングル)――TBSラジオ 米津玄師・野木亜紀子アンナチュラル対談――

出水「米津さんは、あのーどうでしょう。出てくる女性キャラクター、どう思います?サバっとした二人ですけど」
米津「やーだから本当にだから、美しい関係性だなっていうのがあるし、東海林さんがものすごく好きで」
出水「はい」
米津「なんか良い意味でこう…軽い感じていうか」
出水「はいはい」
米津「すごい、共感を覚える部分もあるし」
出水「共感」
野木「共感!?共感は、どこに共感を覚えるんですか?」
米津「(笑)や、なんか、そうですよね。だから、端から見ると全然そんな感じしないと思うけど、ま、なんか、お酒飲んで酔っ払って次の日グデングデンなってるところとか」
出水「(笑)」
野木「(笑)」
出水「その絶妙なゆるさというか、ちょっと無防備のところも」
米津「ねぇ、お酒飲んでくだ巻いてるところとかも、大体俺、毎日あんな感じなんで」
野木「(笑)」
出水「そうなんですね(笑)」
野木「そういう共感が(笑)」
米津「(笑)」
野木「大河ドラマ書く時って一人二人書きやすいとか書いてて楽なキャラみたいのがいて、すごい東海林さんはその、そういう人なんです」
米津「(笑)」
出水「書きやすいっていうのは、どこか自分にすごく似通った部分があるって言っていうことなんですか?」
野木「自分っていう意味ではなくて、つまり今回で言うと…まぁちょっとミコトも中堂さんも六郎も、まあ色々背負っているので」
米津「あー」
出水「そうですね」
野木「ちょっとこう、背負わない人が欲しいんですよやっぱり。そういう意味で、いろんなドラマに、ま、たいがい、そんなそれほど背負ってない人っていうのが、非常にこう…書きやすく楽しく書けるっていうか」
米津「あぁ、そうなんですね」
野木「なんか。で、いて欲しい、みたいな。ところも含めて」
出水「えぇ、えぇ」
米津「そうですよね、絶対いないといけないですよね、でもね」
野木「そうですよね!みんな背負ってたらさ、ちょっと困っちゃうんで。そりゃあね、彼女自身もいろんな悩みとかはあるだけども、ドラマの中でいわゆるドラマ的な何かを背負わず、こう…軽やかにいる人みたいな。まぁただ、でもすごく、あの市川さんがすごいチャーミングに」
出水「そうですね」
野木「演じててくださって。まあ、でも今回皆、石原さんも井浦さんも松重さんも窪田くんも、みんなすごくお上手な方たちで、すごく魅力的に演じてくださってるので、皆さんその2枚も3枚も乗せてくれてるっていうか、すごいあげてくれてるんですけど」
出水「さ、そんな野木さんがですね、脚本書いてる時に『筆が進むわぁー』っていう曲はどんな曲でしょうか」
野木「いつも大概その、書く時って、そのサントラとかテーマソングが来て、それを聞きながら書くことが多いんですけど。今回その、台本が早かったために聞くものがなくて」
出水「レモンがまだ仕上がってなかった」
出水「レモンが仕上がってなかった、っていうのもあり、で、この、米津さんのブートレグを聞きて」
米津「ありがとございます」
野木「はい。で、ですね、そうですね、でこれ全部いい曲だと思うんですよ。これ本当ね、あの、まだ持ってない人にはぜひ買って」
出水「聞いていただきたい」
野木「本当に。全曲いい曲ですごい良いアルバムだと思うんですけど。そうですね、書く時にでも、やる気みたいなことで言うと、それもあってこういう順番になってると思うんですけど…1曲目?」
米津「はいはいはい。飛燕」
野木「はい、飛燕。あれがね、やっぱり『あぁーもう今日も締め切りだよ書かなきゃー』みたいな時に、まずじゃあこっから聞くと、すごいこう上がってくるっていうか、『よし、やるぞ!』っいう感じになるので、これみんな、あのー会社行くのとか嫌な、嫌だなーっていうときに」
出水「通勤、通学にね」
野木「はい。(そういう)時に、ちょっと勢いづけで聞いても、いいんじゃないかと」
米津「これは、あの、風の谷のナウシカに影響受けて作った曲なんですよ」
出水「えぇーーー」
野木「えぇーーー」
(一同笑い)
野木「そうだったんだ」
出水「そうなんですね」
米津「光景とか、んーその、だから、登場人物の目線っていうのも、ナウシカでありつつ自分でもあるんですけど」
野木「私、ナウシカ大好きです」
米津「本当ですか!」
野木「本当小学生の頃、もうセリフ覚えるまで繰り返し見てますね。…気づかなかったけど(笑)」
米津「(笑)」
出水「(笑)」
野木「あぁ、でも、今そう言われて歌詞を見ると、はぁ…なるほど」
出水「わぁ!その聞き方も贅沢ですね。歌詞カード見ながら、改めてそのナウシカをイメージしながら聞く。じゃあリスナーの方にもそのように聞いていただきましょう。野木さん、曲振りをお願いします」
野木「米津玄師さんの飛燕」

―――――― 曲(4曲目) ――――――

出水「お2人にとって、楽曲、脚本の締め切りというのは、どんなものなのか聞いてきたいと思います。米津さん、締め切りは好きですか嫌いですか?この質問をちょっと抽象的ですけど」
米津「好きか嫌いかで言われたら嫌いです」
出水「嫌いですか、そうですよね。追い立てられますもんね」
米津「嫌いだけど、でも、やっぱ、ないと永遠とやっちゃうんで」
出水「あぁ…」
米津「そういう、こう、終わりの日みたいなものが決められてるのは、まぁある種、幸せなことでもあるのかなみたいな風に思ったりもしますけどね。答えの形ってやっぱ…見つけづらいじゃないですか、音楽とか。そーいう…正解を…捉えずらいものなんで、やろうとすれば永遠にやってしまうから、毎回その、締め切りの日、1分1秒前くらいまでずっとこねくり回してて、『もう時間がきました、じゃあこれで終わりにしましょう』っていう感じに」
出水「へぇ。じゃあ、何か折り合いをつけるっていうよりかは、もう時間が来たからじゃあもうここで手放そうっていう感じなんですか」
米津「そうですね」
出水「へぇー…。野木さんいかがですか、締め切りは」
野木「地獄ですね」
出水「地獄(笑)すごく強い言葉」
野木「もう、つらい」
出水「つらい」
野木「つらい」
出水「はぁ」
野木「もう、大半つらいです」
米津「(笑)」
野木「(笑)」
出水「えぇー」
米津「まぁ、そうですよね。つらいっすよね」
野木「例えば、五話を書きながら六話の準備稿を入れて、七話の取材して、同時にそれの初稿を書いてとか。なんか本当にもう!…とんでもないんですよ」
出水「聖徳太子みたいじゃないですか。処理できなさそう」
野木「本当に連ドラは…もう、本当に、とにかくつらいですね」
出水「野木さんのアンケートには、いつだって精神の」
野木「あ、精神と時の部屋が欲しい」
米津「(笑)」
野木「これねぇ、ジャンプ読者はもちろんわかる。精神と時の部屋」
米津「それはもう、永遠の憧れですよね」
野木「ほっしいですよねー」
米津「欲しいですねー」
野木「え、でも、もしあったら、例えば一曲にすごくこだわっちゃうってとこで言うと、わりとこう、時間さえあれば、本当は一曲を永遠やっていたい感じですか?どうですか?」
米津「永遠…そうですねー…永遠に、終わらなくなっちゃうんで…出た頃には誰もいないみたいな」
出水「(笑)」
野木「(笑)」
米津「みんな死んじゃってるみたいな感じ」
出水「へぇ」
米津「ある気がしますね」
野木「そういえば、あの、レモンで、『フェ』みたいな音が、間に入る。あれ何の音なんですか?あれは何の楽器ですか?」
米津「あれは、あれは人の声ですね」
野木「あ、声なんですね」
米津「いわゆる、サンプリングって言うんですけど。その、人の声を切り取って、でー、それをそのまま貼り付けるって言えばいいんですかね。そういう風にしていくことをサンプリングって言うんですけど。その、人の声をサンプリングして、で、まぁ乗っけて、そうっすよね、今、あの、YouTubeのコメント欄とかTwitterとかみたら、何の音?みたいな。レコーディング中にアヒル握ってんじゃねえかって」
出水「(笑)」
野木「(笑)」
米津「くえ、くえってやってんじゃねぇかって言われてて、まぁ確かに困惑するやろなあとは思ってはいたんすけど、自分もPOPソング作ってきた人間なんで、これは多分みんな困惑するやろうと思ったんですけど。でも、なんかもう、鳴ってるからしょうがないっていう感じが」
出水「もぅ頭の中にその音が必要だったっていう」
米津「はい。なんかもこれは本当に自分の中で重要な音であって、あるのとないのとでは全然…こう意味合いが変わってくる感じがあって、自分の頭ん中に。それがなぜなのかって言われたら、正直自分でもわかんないんですけど。本当に重要な音だと俺は思ってます。一番最初っから完成形が見えてるわけではないんで、ほんの些細なとっかかりから、こう、どんどん積み重ねていった結果、芋づる式にこう出てくるっていう感じですけどね。毎回」
出水「じゃあ、最初手繰り寄せる、まぁ動作は辛くても、あとはもう…ガラガラーといっぱい出てくるんですかね」
米津「そうですね。出てきて出てきて、できたなと思ってもまだ引っ張りたくなっちゃうっていう。それは、その引っ張りたくなるって自意識から解放されるために締め切りが必要だって。じゃないと永遠にやってしまうっていうのはありますけど」

―――――― 曲(5曲目) ――――――

出水「さて、ここで米津さんからのお知らせです。いよいよニューシングルレモンが3月14日にリリースされます。このレモンにはレモン盤、映像盤、通常版の三形態やってレモン番はオリジナルレターセット付き。映像版は今年1月10日に行った米津玄師 2018 LIVE / Fogbound 日本武道館公演のライブ映像8曲に加え、未発売のミュージックビデオ、春雷、灰色と青(+菅田将暉)を収録。なんとこちら、米津玄師さんにとってはライブ映像自体が初出しだそうです。そしてジャケットは今作も米津玄師さんによる描き下ろしイラストです。さらに初回プレス分には三形態とも、今年10月27日28日に幕張メッセ国際展示場1~3ホールで開催される米津さん自身、最大規模となるワンマンライブ米津玄師ライブ2018の最速先行抽選応募券が封入されています。是非チェックしてみてください。

(ジングル)――TBSラジオ 米津玄師・野木亜紀子アンナチュラル対談――

CM

(ジングル)――TBSラジオ 米津玄師・野木亜紀子アンナチュラル対談――

出水「ずばりきちゃっていいんでしょうか。ドラマ“アンナチュラル”、残すところあと二話となりました。まだ解決されていない謎、あります。野木さん今後どうなってちゃうんでしょうか」
野木「んー…どうなるんでしょうねー」
米津「んふふ」
野木「なんかですね、なんか色々大変なことになったりする」
出水「えーえー」
野木「(笑)」
米津「(笑)」
出水「気になる」
野木「なんか、ねぇ?ちょっと大変なことに」
米津「大変なことになりますね」
出水「そっか、米津さんももう、脚本全部読んでらっしゃるから!」
米津「そうだから、あれが映像になったときにどうなるのかっていうのが、めちゃめちゃ楽しみですね」
出水「最終話読んだ時、ちょっとその時のリアクション教えてもらえますか。どんな感じでした?」
米津「(笑)」
出水「はー!なのか、へー!なのか」
米津「いや、…はぁぁー……っていう」
出水「えーーー」
野木「(笑)」
出水「なんだろう!ため息!」
米津「何て言えばいいかわかんないですね。でも、まあ、はぁ…はぁ…って」
出水「ですって、野木さん!はぁ…ですか」
野木「やぁ、ねぇ、私もはぁって思いながら(笑)どんなんだ。どうなんでしょうね…ちょっと私もでも、まだでもね、最終話はまだ見てないんですよ」
出水「あーそうなんですね」
野木「撮ったものを」
出水「えぇ」
野木「あのー9話までは見てるんですけど。今、あの、塚原監督が絶賛、入魂の編集中で」
出水「そうですね」
野木「早撮りであまりないんですけど、ま、最終話が拡大版になりまして。まあ、皆皆様のご声援のおかげで、拡大になりまして。あのもともとちょっと台本も『ちょっとこれ長いよね』って言う『これ入るのかなー』ってたんで、今ちょうど良かったねって言ってて」出水「そうなんだ。それだけ最終話の最終的なところはもう」
野木「いやー詰まってますね、また」
出水「うわぁ……楽しみです」
野木「また詰まっております。あの、本当に、一瞬たりとも、お見逃しなく。画面を見ていただけるといいなと思います」
出水「最終話、楽しみなんですけども、あの世界観が見られないのかと思うとね、ちょっと切なさもあるんですが。そんな中、ま、米津さんが個人的に押しだという東海林さん。市川実日子さんからですねコメントを頂いておりますのでご紹介させていただきます。

――――――市川実日子さんからのメッセージを出水アナが読み上げ
レモンを初めて聞いたのは、アンナチュラル一話を見た時でした。主題歌が気になりながらもどちらかと言うとセリフやシーンに集中していました。その後、回が重なるにつれ、耳に残る歌詞が毎回変わることを面白く感じています。
セリフでも仕草でもない、登場人物のことをさらに膨らませてくれるような歌だなぁと感じています。アンナチュラルはあと2話で終わります。人間関係が大きくうねり交差します。今までもですが、終わるけれど終わりではないのが、このドラマの一つの魅力なのではないかなと思っています。放送が終わった後、レモンを聞いてみたいです。その時にどんなものが心によぎるのか、今は楽しみに取って置いてあります。野木さん、米津さん、ありがとうございます。というメッセージをいただきました。

米津「やー、嬉しいっすね」
野木「すごい…見事なコメントでしたね」
出水「はい」
米津「このー、市川実日子さんの名前の横に、かっこでひらがなで『しょうじ』って書いてあるが」
野木「可愛い」
米津「結構グッときますね」
出水「こういうとこ、いいですよねー」
野木「可愛いですねー」
出水「やっぱり、あの彼女自身のチャーミングさでもありますし、役柄的にもこういう、なんというかちょっと遊び心があるのが似合いますね」
野木「ほんと、市川さんはなんか、なんかねぇ、本当面白いんですよ」
米津「うぅーん」
出水「いやぁーこれからも、三澄と東海林のコンビ、最終話まできちんと私も応援させていただきたいと思います」

出水「さぁ。では、あっという間にこの対談もお別れの時間となってしまいました。最後に、もしお二人がまた改めてコラボレーションですとか一つの作品に携わることがあれば、どんなものがいいというの要望、何かありますか」
野木「ラブストーリーとかにも合いそうですよね」
出水「あー」
野木「なんか、すごい切ない曲と詩が多いので。いやぁ、どういう恋愛されてるのかしらとか」
米津「(笑)」
出水「確かに」
野木「思いながら、ちょっとなんかなんか、はい、ねぇ。そういうのもなんか合いそうだなあと思いました」
出水「ご自身の恋愛観にこう、どっぷりフリーダイビングして頂いて、どうでしょう、そういったオファーは」
米津「いやー…全然やらせてほしいですね。本当に、そういう。だから、こんだけ美しい作品に出会えることって、本当にないなって思うんですよね。レモン、ものすごく愛情を受けて、その、組み込んでもらってるし、ドラマに。こんなだけ、いろんなことに妥協せずにもの作ってる人達ってやっぱ、本当に貴重だと思うんですよね。その貴重な…機会が2018年に、で、それが初っ端にあって、あるって言うのは本当に何か良い一年になりそうな気がして。何かひたすら、ありがとうございますとしか言いようがないですね」
野木「いえいえ…。こちらこそ、美しい曲を作って頂いて、しかもこんな泣ける素敵なコメントまで…頂いて、多分、スタッフ一同、皆喜んでいると思います」
出水「さ、残すところドラマ“アンナチュラル”あと2話となりました。どうぞ皆様お見逃しなく。今夜は米津玄師さんそして野木亜紀子さん、どうもありがとうございました」
米津「ありがとうございました」
野木「ありがとうございました」

―――――― 曲(6曲目) ――――――

――――――石原さとみさんからの録音メッセージ
アンナチュラル三澄ミコト役の石原さとみです。さてアンナチュラルの放送もあと2回になりました。悲しい!でも私、最終回が一番好きなんです。このドラマ中で。本当に素晴らしい最終回になっておりまして、今までこう一話から八話まで多分一話完結で進んでいったと思うんですけど、9、10は完全なる連続ドラマです。しかも一話から見てくださっている方が、あれだーとかそうきたかーとか、その反応が目に見えるぐらい、私は台本読んだ時に叫びました。もう連続ドラマだからこそできる九話、十話、ラスト2回席を楽しみにしていてください。石原さとみでした。ありがとうございました。

(TBSラジオ 2018.3.4 19:00-20:00)

関連サイト

「米津玄師×野木亜紀子 アンナチュラル対談」オンエアリスト


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